セレストロンから口径15cm版のRASA「RASA 6」が出ましたよ!

 

RASA(Rowe-Ackermann astrograph)とは

セレストロンから販売されている RASA(Rowe-Ackermann Astrograph)は、2012年にセレストロンのコンサルタントを務めていた David Rowe 氏と Mark Ackermann 氏によって発明された新しいタイプの天体望遠鏡です。F 値が約 2 と、シュミットカメラ並みに非常に明るいハイスピードアストログラフです。
RASA シリーズには、口径8 インチ(20 cm) のRASA8、11 インチ(28 cm)の RASA 11、そして 14 インチ(36 cm)の RASA 36がラインナップされていましたが、このたび 6 インチ(15 cm)モデルが登場しました。

RASA 6 の登場前には、CELESTRON ORIGIN INTELLIGENT HOME OBSERVATORY という、カメラを内蔵した鏡筒と自動導入経緯台をパッケージ化した電視観望専用機が販売されていました。今回の RASA 6 は、従来の RASA シリーズと同様に鏡筒単体(OTA)での販売となり、カメラやマウントを自由に選択できるようになりました。赤道儀への取り付けはビクセン型のドブテイル方式となっており、小型赤道儀にも搭載できそうです。

RASAシリーズの比較

現在販売されているRASAシリーズ及びOrigin 6を比較してみましょう。

まだ日本での販売価格は発表されていませんが(2025/3/27現在)、恐らく29万円前後になると勝手にw予想しています。

 RASA6Origin 6RASA8RASA11RASA36
口径152mm152mm203mm279mm355.6mm
焦点距離335mm335mm400mm620mm790mm 
FF2.2F2.2F2.0F2.2F2.2
長さ609.6mm610mm628mm838mm1079.5mm
外径177.8mm178mm235m330mm406.4mm
重さ3.8 kg 7.7kg19.5kg34.02 kg
フィルター取付けintegrated filter mountintegrated filter mountInternal filter mount(ドロワー可能)ドロワードロワー
対応フィルター2インチ2インチ2インチ2インチ以上2インチ以上
オプティカルウィンドウ  46mm68mm104mm
イメージサークル16mm 22mm43.3mm60.1mm
Back focus with included camera adapter17.5mm 25mm55mm55mm 
Back focus from top of threaded collar  29mm72.8mm77.5mm
カメラ取付部M42Sony IMX178LQJ内蔵M42M48M48
中央遮蔽77mm(46%) 93mm(46%)114mm(41%)158mm(44%)
フォーカサーStandard Schmidt-Cassegrain focuserAutofocuserPrecision Bearing SystemUltra-Stable Focus SystemUltra-Stable Focus System
価格$1,699$3,999$2,079$4,399$13,999
日本販売価格29万円程度?970,200円418,000円737,000円3,190,000円

(ちなみに,私が持っているRASA8の最安値は,協栄産業さんの2019年12月〜2020年1月に開催された「シュミットからビクセンへの総代理店変更セール」で,税込 248,000 円でした..)


RASA6の最大の特徴

・2インチ・フィルタードロワーを内蔵
・重量が3.8kgと超軽量
・ 1/1.7インチ 〜 1/1.5インチCMOSのセンサーが最適(マイクロフォーサーズでもギリ可能だが,周辺減光がある)


写真撮影専用天体望遠鏡なので、使用できるカメラはかなり限定されそうです。ChatGPTによると,対角16mm前後のCMOSセンサーを搭載した ZWO や QHYCCD のカメラには、以下のようなモデルがあります。
<バックフォーカスの問題もありますので正確な判断は各自で行ってください>

補足

 ASI585MC / 585MC Pro / 585MM Pro → RASA 6 に最適なセンサーサイズ(16.1 mm)、冷却モデルあり。
 ASI485MC → ほぼ同じピクセルサイズ(2.9μm)ながら対角 11.1mm。視野は狭くなるが、感度は良好。
 ASI678MC → 小型センサー(9.3mm)だが、2.0μm ピクセルの高解像度。高倍率撮影向き。
 ASI462MC → さらに小型(6.4mm)。惑星撮影向きで、RASA 6 には視野が狭すぎる。
 QHY5III585C → IMX585 を搭載した QHYCCD のカメラ。性能は ZWO の ASI585MC に類似。


RASA 6 に最適なカメラ

1. 広視野+高解像度 → ASI585MC / 585MC Pro / 585MM Pro(対角 16.1mm で最適)

2. 視野を少し狭めるがコスト優先 → ASI485MC(対角 11.1mm)

3. 高解像度重視(視野は狭くなる) → ASI678MC(対角 9.3mm, 2.0μm ピクセル)

4. 惑星撮影向き(RASA 6 には不向き) → ASI462MC(対角 6.4mm)


結論

RASA 6 でディープスカイ撮影を行う場合、IMX585 を搭載した ASI585MC / Pro / MM Pro が最も適している。視野を狭めてコストを抑えるなら ASI485MC も選択肢になる。


撮影シミュレーション

岡山アストログラフさんの「天体撮影のための写野シミュレーター」を使って実際に何の位の撮影像になるのかシミュレーションしてみました.

RASA6 + ASI585MC 


RASA8 + ASI585MC 


RASA8 + ASI294MC PRO(私が常用しているカメラと望遠鏡です)



RASA6の使い方

以下、入手した取扱説明書から、興味のある事項を紹介します。


カメラの選択

RASA 6 で使用するカメラを選ぶ際には、いくつかの点に注意が必要です。
1. センサーサイズ – RASA 6 の光学設計は、対角サイズが最大 16 mm のセンサーでの使用に最適化されています。最大 22 mm の対角センサーでも十分に機能しますが、視野の隅での照明が減少します。
2. ピクセルサイズ – RASA 6 は、さまざまなピクセルサイズのセンサーで効果的に機能します。多くの望遠鏡とは異なり、高速な焦点比 (f/2.2) と 6 インチの開口径を持つため、小さなピクセル (例: 3 μm² 未満) でも十分な性能を発揮します。
3. 障害物 – カメラは光学系の前方に取り付けるため、開口部をできるだけ遮らないものを選ぶ必要があります。外径 75 mm 未満の円筒形カメラが最適です。多くの天文用カメラや「HyperStar 対応」CMOS カメラは、RASA 6 に特に適しています。
4. バックフォーカス – バックフォーカス(フランジ焦点距離とも呼ばれる)は、カメラのセンサーと、レンズや望遠鏡との接続点との間の距離を指します。RASA 6 のようなフラットフィールド天体撮影用望遠鏡では、カメラのセンサーを正確に焦点面に配置することが重要です。適切に配置されていないと、特に大型センサーでは視野の端で性能が低下する可能性があります。
RASA 6 の適切なバックフォーカス距離は、カメラアダプターの上面から 17.5 mm です(下の図を参照)。センサーがカメラ本体に 17.5 mm 以上埋め込まれている場合、焦点面に適切に配置できないため、RASA 6 とは互換性がありません。
DSLR カメラは、開口部を大きく遮ることに加え、バックフォーカスが長すぎるため、RASA 6 では使用できません。

カメラの装着

RASA 6 のカメラアダプターは、M42 規格のカメラ取り付けネジと互換性があります。適切なバックフォーカス距離は 17.5 mm です。カメラのバックフォーカスがこれより短い場合は、オプションの M42 延長リングを使用して、センサーを適切な位置に調整してください。バックフォーカスが 17.5 mm より長いカメラは、RASA 6 との互換性がありません。特に大型センサーを使用する場合、バックフォーカスの誤差を 1 mm 以内に抑えることで最良の結果が得られます。

カメラの取り付け手順

1. 保持リングの取り外し

最初に、保持リングを反時計回りに回して緩め、フィルタードロワーから保持リングとカメラアダプターを取り外します。緩んだら、フィルタードロワーアセンブリの前面からカメラアダプターごと取り外してください。2 インチのクリアフィルターは、フィルタードロワーに装着したままで問題ありません。

2. フィルタードロワーの取り付け

フィルタードロワー(2 インチクリアフィルターを装着した状態)を RASA 6 のフロントレンズアセンブリに接続します。時計回りに回して、レンズハウジングにしっかりとねじ込みます。

3. カメラの装着

カメラアダプターを保持リングに通し、カメラの M42 ネジに接続します(下図参照)。カメラアダプターを時計回りに回し、カメラにしっかり固定してください。




4. 保持リングの再装着

保持リングをフィルタードロワーに取り付け直し、回転しなくなるまで時計回りに回します。ただし、締めすぎないように注意してください。これで、カメラは RASA 6 に正しく取り付けられます。


フィルターの使用

RASA 6 には、2 インチフォーマットのフィルターを装着できる専用のフィルターホルダーが付属しています。1.25 インチフィルターを使用する場合は、1.25 インチフィルターアダプターをフィルターホルダーに取り付けることで対応可能です。
フィルタードロワーには、あらかじめ透明な 2 インチフィルターが装着されています。他のフィルターを使用しない場合は、この透明フィルターをそのまま装着しておく必要があります。これは、RASA 6 の高速 f/2.2 光学系の性能を維持するために不可欠なものです。
透明フィルターを取り外し、オプションのフィルターに交換すると、光学系内のガラス要素の総量が変化しないため、望遠鏡の光学性能を一定に保つことができます。

スカイウォッチャーHAC125との比較

鳴り物入りで登場したRASAと似たような光学系のスカイウォッチャーHAC125との比較です。RASA6は、邪悪バージョン(いわゆる3連装)のHAC125と同価格になりそう?

 RASA6HAC125
口径152mm125mm
焦点距離335mm250mm
FF2.2F2
長さ609.6mm360mm
外径177.8mm153mm
重さ3.8 kg3.7kg
フィルター取付けintegrated filter mountCMOSカメラ先端
対応フィルター2インチ1.25インチ
オプティカルウィンドウ  
イメージサークル16mm16mm
Back focus with included camera adapter17.5mm9.7mm
Back focus from top of threaded collar 30mm
カメラ取付部M4231.7mm
中央遮蔽77mm(46%)53mm
フォーカサーStandard Schmidt-Cassegrain focuserヘリコイド
価格$1,699 
日本販売価格29万円程度?103,125円

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