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RASA8やHAC125など,補正板に中央遮蔽がある場合,F値は暗くなるのか?

 昨年のCP+2024で実機がお披露目されたSkyWatcherのHAC125.それはRASAに似て非なるものですが,ほぼ同じような光学系といっても良いでしょう.HAC125は直径53mm以下の小型CMOSカメラしか取り付けられないという公式アナウンスが出ておりますが,カスタマイズしてより高性能で大きなチップを搭載したカメラを取り付けている猛者もおられるようです.
 RASA8は口径203nnで,中央遮蔽は93mmです.写真のようなASI294MC系の投影面積が小さなカメラならば,中央遮蔽より小さいため影響は少なく,さらに大きなASI294MC PRO(直径78mm)やASI2400MC PRO(直径90mm)でも中央遮蔽より小さくなっています.


 この中央遮蔽が大きくなると光を集める量(集光効率)が減少しますが,いわゆる「F値(焦点距離/口径)」に影響与えるのか計算してみました(正確にはChatGPTに聞いてみたw).

 HAC125HAC125HAC125RASA8RASA11
主鏡口径 (mm)125125125203279
中央遮蔽直径 (mm)53627893114
焦点距離 (mm)250250250400620
主鏡面積 (mm²)12271.8 12271.8 12271.8 32365.5 61136.2 
中央遮蔽面積 (mm²)2206.2 3019.1 4778.4 6792.9 10207.0 
有効集光面積 (mm²)10065.7 9252.8 7493.5 25572.6 50929.1 
集光効率 (%)82.0 75.4 61.1 79.0 83.3 
公称F値2.0 2.0 2.0 2.0 2.2 
実効F値2.2 2.3 2.6 2.2 2.4 
搭載カメラCeres-CなどASI294MCなどASI294MC ProなどASI294MC ProなどASI2400MC Proなど


結論から言うと,

中央遮蔽とF値中央遮蔽部の存在は有効集光面積を減少させるため、光学系の集光力(明るさ)は低下しますが、有効口径(D)は変わらないため、F値は変わりません

影響するのは「実効F値」F値自体は変わりませんが、実際の明るさ(露出時間に影響する実効F値)は、集光効率の低下によって下がります。つまり、同じF値でも中央遮蔽があると画像はやや暗くなるため、露光時間を長くする必要があります。

やはり投影面積の大きなカメラを搭載すると,それだけ暗くなります.
※訂正箇所や誤りがありましたらコメントでこっそり教えてくれますと嬉しいです!

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