月刊 星ナビ 2022年2月号 星ナビGallery 初入選!「水星のナトリウムの尾」 Mercury's Sodium Tail Oct 24, 2021
「水星のナトリウムの尾」
I'm pleased to inform that my work entitled Mercury's Sodium Tail has been selected for the first time for the Hoshinavi Gallery of the renowned Japanese astronomical magazine "Hoshinavi"!
この度、著名な天文雑誌「月刊 星ナビ」の星ナビGalleryに初入選しました!!
星ナビの前身である「スカイウォッチャー誌」には、1997年にヘール・ボップ彗星の写真を掲載して頂いた事がありますが、現行の「月刊 星ナビ」では初めての入選です。しかもギャラリーのTOPページに1ページまるっと丸ごと大きく掲載!!!嬉しいーーー!!!選者の先生の皆様、ありがとうございました!
月刊 SKY WATCHER誌1997年8月号で初入選した「去りゆくヘール・ボップ彗星」 今は無き野辺山太陽電波観測所70-600MHz電波スペクトル計のシルエットが美しい |
今回は月刊天文ガイド2021年8月号で掲載して頂いた水星のナトリウムの尾の撮影条件を、さらにブラッシュアップし、最高の撮影環境で挑みました。前回は実験的で極めてチャレンジングな意味が非常に強かった撮影だった為、「撮影条件が全くわからないから、せめて尾が検出できれば良い」というレベルでした。
今回は地上から「世界最高レベルの水星の尾を検出する」という目的を達成する為に、夜のうちに赤道儀の極軸をきっちりと合わせ追尾した事、西方最大離角付近の明け方の空が暗い時に水星を撮影したこと、そして地平線付近まで透明度が非常に高い空で撮影しました。
実は撮影地の選定で色々悩んでいました。東天低空の水星を撮影するためには、光害がなく、低空が見渡せる場所ではないといけません。関東地方でいくつか候補がありましたが、最終的に長野県小海町の標高1700m地点を選定。実はこの撮影遠征に先駆け、2週間前に当地へ出かけ、どの辺りに水星が見えるのかロケハンを行っていました。
10月4日に見えた月の位置から10月24日撮影当日の水星の位置をシミュレート。 立ち木等で水星が隠れてしまわないか慎重に計算しました。 |
いよいよ撮影当日の10月24日。天候晴れ(晴れてよかった。。。)。10月だというのに気温は氷点下2度の厳しい条件。この日は満月直後の月があったため、他の天体の撮影には全く適していませんでした。Twitterのフォロワーさんたちも遠征に行っている様子はなく、私が遥々遠くの小海町まで、なぜ遠征しているのか判らなかったと思います。
日付が変わった0時過ぎ、現地に到着。当然だれもいません。
到着。現在マイナス2度 pic.twitter.com/IeZcEVdNAX
— RYO@天文楽者 JA1HSR (@HDV_blog) October 23, 2021
午前4時30分過ぎ、いよいよ水星が登ってきました。ナトリウム用のナローバンドフィルターをセットし、撮影開始です。
前回よりも空気の透明度が高いので、低空でも水星の尾がはっきりと分かります。 撮影時刻 2021年10月24日04:46頃 |
薄明が始まりました。スマホのカメラでも水星が写っています。 |
最終カット付近の様子。 |
撮影終了‼️大成功です😆 pic.twitter.com/xvLAkJjbiN
— RYO@天文楽者 JA1HSR (@HDV_blog) October 23, 2021
そしてこちらが入選作品です。水星基準でコンポジットを行っているため、恒星が動いているように見えます。水星の尾は彗星の尾と比較して非常〜〜〜〜〜に淡いのですが、誌面に掲載できるレベルに仕上げるためには、あまり派手な画像処理をすることができません。。。
もう少しわかりやすいように、白黒反転してみました。水星本体からズバーっと尾が出ているのがよくわかります。
日本国内でメジャーな天文雑誌の両誌に評価していただけたことを大変光栄に思います。また、これを機会に水星に興味を持っていただける天文ファンが増えることを期待しております!
コメント