近赤外線 (NIR) 領域が熱い!
M51子持ち銀河 (近赤外線像), サイトロンIR640 PROフィルター, RASA8, ZWO ASI294MCPRO, 2021/2/8撮影
なぜ近赤外線 (NIR: Near-infra red)なのか?
ここ最近天体写真でブームになっているのが近赤外線より長い波長域での撮影です(Hαなどは可視光領域で、近赤外NIRは780nm~900nm、短波赤外SWIRは900nm~2500nm)。主たる理由は、光害などの夜空の散乱光(殆どの波長域が可視光部分である。しかし近赤外線にも22等級程度の背景光はある。)の影響を受けにくく、月夜でも星雲を撮影することができるからです。なぜ近赤外線が悪条件化での天体写真撮影に都合が良いのかは、この領域での先輩であるシベットさんやcockatooさんに任せるとして😅、この領域を撮影するためには特殊なフィルターと赤外線カットフィルターが無いカメラが必要です。
Hα 640nm LPフィルター
まず手にい入れたのが、サイトロンジャパンから発売されているHα 640nmよりロングパスするIR640 PROフィルターです。
サイトロンさんから頑丈な梱包が来ました!!! @BLAPAN_SCOPE pic.twitter.com/duptAsgeRd
— RYO@天文楽者 (@HDV_blog) January 23, 2021
ただし、このフィルターのネジがユニファイド(いわゆるインチ規格)なので、ミリ規格のZWOのアダプター等にはきちんと奥まで入りません。
し、しかし例のT2マウント-アメリカンサイズアダプタとネジピッチが違う😭
— RYO@天文楽者 (@HDV_blog) January 23, 2021
テレビューのアメリカンサイズアイピースも違う。
QHYCCDかZWOのASI120MMどちらかの31.7mmアダプタはOK.
サイトロンさんのはp0.75なのかな? pic.twitter.com/REYalnuZz0
そこにサイトロンジャパンさんからのフォローが
サイトロンジャパンのはM1-1/8インチ, P=48山/インチです。
— ブラック☆パンダ (@BLAPAN_SCOPE) January 23, 2021
なるほど。このような規格だそうです。ただ、ミリ規格のネジに決して入らないわけではなく、一回り二回り程度ねじ込ませて変換リングに固定することができます。
RASA8に取り付けファーストライト
まずはベランダでばら星雲を撮影してみました。カメラはASI294MC PROカラーCMOSカメラです。IMX294 CMOSセンサーは700nmでも高感度を保持しています(Rチャネル)。
近赤外線ファーストライト。
— RYO@天文楽者 (@HDV_blog) January 25, 2021
今のフィルター位置だと蹴られますね。
そしてバラ星雲出ないー
もっと短波長側成分が多いのかな? pic.twitter.com/yo0HloaHoY
むむむ?思ったより赤が出てませんね。Hα領域をかなり発光しているはずですが。
遠方銀河にチャレンジ
M106を撮影していると、無数の銀河が映し出されていることに気が付きました。
NGC4217の側の小さい銀河、どんだけ遠い銀河なんだろ? pic.twitter.com/EESuWLRLLe
— RYO@天文楽者 (@HDV_blog) January 25, 2021
調べたところ、下の丸の左側の銀河がNGC4232で3.7億光年の距離があることがわかりました!まだまだ遠い銀河はあるのですが、これほど遠くの銀河を撮影したのは初めてで、すごく興奮!!
色に関しては、赤被りになるはずですが、ASIAIR PROのライブビューでは自動的に色温度補正を行っているようで、恒星や銀河は白く映ります。
M106とか多数の遠方銀河。
— RYO@天文楽者 (@HDV_blog) January 25, 2021
凄い!シャープに撮れた😆
RASA8, Sightron IR640 PRO
ZWO ASI294MCPRO,
30sec x 50 stacks pic.twitter.com/AyDwNTVyDK
星景写真を近赤外線で撮ると・・・
どうなるのか??フィルターをどこに入れるか色々悩むのですが、手っ取り早くASCOMキヤノンレンズコントローラーMark IIに埋め込み、シグマの対角魚眼で撮ったのがこれ!
おぉぉ!
— RYO@天文楽者 (@HDV_blog) February 14, 2021
東京都下街中。
たった2分の露出で冬の天の川が!
普通だと完全な露出オーバー。
真ん中には薔薇星雲。
Hα〜長波長 LPフィルター
(サイトロンIR 640 PRO)
Sigma 15mm F2.8
ZWO Asi294mc Pro pic.twitter.com/QZTmGz3t4J
ほぼ光害の影響が出ていない感じです。 もっと露出時間を伸ばしたりライブスタックを行いたかったのですが、今回はそこまでできず。。。でもサイトロンIR640 PROは、面白い可能性を持つフィルターということが十分に分かりました。
次の記事では新しいCMOSカメラを入手した話を書きたいと思います。
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