特注タカハシ P-2Z用 300mm ロングピラーと新型架台下ボルト (テレスコ工作工房)
もともとはK-ASTEC PTP-C2三脚用だった
2019年の2月、長野県のテレスコ工作工房さんのところでMORE BLUEの三脚を購入したときに、ついでに在庫品だったロングピラーを購入していました。このロングピラーは、もともとはテレスコさんのお客さんがK-ASTECのPTP-C2用に作成してほしいとリクエストされた物だったそうですが、1本余分にあるということで購入に至りました。なお、PTP-C2もジッツオ システマティック三脚、そしてMORE BLUEのカーボン三脚もトップフラットプレート径が同じなので互換性があります。
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当初はEM-100で使用を・・・と考えていたのですが、TSA-120とEM-100の組み合わせでは重量があるためなのか、振動が出てしまいました。そこで軽量赤道儀のP-2Zで使おうと検討したところ、純正架台下ボルトの取っ手部分ががピラー脚アダプターの内径よりほんの僅か大きく、取り付けることが出来ないことがわかりました(泣)。
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システマティック用の架台下ボルトは、昔、遊馬製作所さんで作成していただいた物があるのですが、こちらはすでにEM-100で使用しているので使えません。しょうがないので、もったいないのですが当面の間はピラーは使わずに三脚のプレートに直接赤道儀を載せた状態で使うことになりました。しかし、タカハシ V-1などの長焦点屈折望遠鏡で天頂付近を観望するときは、三脚とフォーカサーが干渉してしまい大変使いにくい状態となってしまいました。
それから1年が経ってしまった
流石にピラー脚を遊ばせているのは大変もったいないので、何とかしなくてはと重い腰を上げました。当初は設計図を書いて、ワンオフ工場へ依頼しようと思ったのですが、やはりピラー脚を作成し、そして望遠鏡関係のカスタムパーツに強いテレスコ工作工房さんへ依頼したほうが良いと思い、設計図を添付して問い合わせてみました。
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私が作成した簡易設計図です。ネジのピッチなどは合っているのか不安でしたし、無駄なところが至るところに多かったです。
新設計のP-2Z用架台下ボルト
すぐにテレスコ工作工房さんからレスポンスがあり、快く引き受けて頂けることになりました。そして完成して送られてきたのがこちらです。私が考えていた物が如何に無駄なところが多かった、そしてテレスコ工作工房の斎藤さんのアイデアが素晴らしいことに気が付かされるでしょう。
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この架台下ボルトの此方側のアイデアは思いつかなかった!確かに無駄な材料は発生しないし、ピラーアダプターの内径部分に干渉しません。
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フランジ部分は純正品と同等です。
二度と外さなくても良い?
このボルトの優秀なところは、ピラーを使わなくてもシステマティック三脚で使用できる事。タカハシ純正三脚を使わなければ、二度と外さなくても良い状態です。
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不動点が高くなり、観望には好都合
ロングピラーを使うメリットは、三脚を必要以上に伸ばさなくても不動点が高くなり、観望が大変楽になることです。ピラーを使わずに赤道儀の不動点を下の写真の高さまで上げるためには、伸縮式の三脚をもう1段伸ばさないといけないのですが、太めのシステマティックカーボンでも細い脚の部分を伸ばさないといけなくなるので、強度が不足し振動が出てきてしまう恐れがあります。
ただし、ピラーを使用した場合は三脚と赤道儀の接続部分2箇所が振動源となってしまうのですが、それでも天頂付近の観望は大変楽になります。
今回、色々希望を聞いてくださったテレスコ工作工房の斎藤さんにお礼を申し上げます。
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